• 作成:2020年4月2日
  • 更新:2021年5月11日

建設業界の人手不足と長時間労働の悪循環

建設業界においては、他の業界と同様に、約10年後に来る団塊世代の大量離職と若手の人材不足が深刻な問題となりつつあります。(表1)
また、建設業界では週休2日すら実現できていない会社が多く、年間労働時間は全産業の平均と比較すると、300時間以上も長いという状況です。(表2)

従業員1人あたりの労働時間を短縮させようと、新たな人材を募集しても集まらず、高齢の従業員は徐々に退職数が増え、残る従業員の労働時間は増加する、という悪循環に陥っています。

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表1
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表2

建設業につきまとう「負のイメージ」

東京都に本社を置く建設業のT社は、従業員数600人、全国に7つの支店・営業所を構える中堅企業です。近年、売上を順調に伸ばしているのですが、その主な要因は、2011年の東日本大震災から日本各地で立て続けに起きている大規模な自然災害の復興需要です。また、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催に伴い、首都圏を中心とする建設需要も増加し、施工管理者が掛け持つ現場数も年々増えています。
一方で、T社においても団塊世代の離職と若手の人材不足は課題となっており、積極的に採用活動をしていますが、建設業につきまとう「3K:きつい・きたない・危険」という負のイメージから、応募者数が伸び悩んでいました。

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※イメージ

かさばる紙の資料のペーパーレス化を検討

2018年3月に国土交通省は、中小企業をはじめとする多くの建設業の会社が、ICT活用や人材育成に積極的に取り組み、「業務の省力化や合理化」「施工品質の向上」を目指す「建設業働き方改革加速化プログラム」を発表し推進しています。それを受けてT社でも、現在の業務の進め方を見直す事にしたのです。

まず、日々の建設現場で利用する様々な資料の運用方法に着目しました。これまで建設現場で利用する図面や様々な資料は、事務所で紙に印刷し、建設現場に持参していました。紙の資料は数量も多くかさばり、必要な情報もすぐに見つかりません。

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※イメージ

また、図面等に変更や不備があった際は、現場作業のトラブルや作業の中断を引き起こす恐れもあるので、事務所に戻って修正し印刷し直していました。加えて、複数現場分の紙の資料を持ち運ぶとなると、その重量も増し相当な労力が掛っていたのです。

T社は、これらの課題を解決する為に、建設現場に持ち込むPC としてSurface Proを導入し、紙の資料のペーパーレス化を目指すことになりました。

ペーパーレス化の実現に重くのしかかる「導入コストの壁」

持ち運びも容易で、事務所内で利用しているPCに見劣りしないスペックのSurface Proであれば、CADソフトを建設現場でも利用できます。また、建設現場で図面や資料の不備を見付けた際も、現場ですぐに修正ができるので作業のトラブルや中断を防げます。重くかさばる紙の図面や資料を持ち運ぶ必要もありません。

T社は、Surface Pro導入の対象部門を施工管理部門だけでなく、営業部門や技術部門など外出する機会の多い部門まで拡げ、業務の「省力化や合理化」の効果をより大きく発揮する計画を立てました。その結果、Surface Proの導入予定台数は460台まで膨れ上がり、導入コストが課題として浮上しました。

そこで、作業指示書や工程管理表の運用等に利用していたオフィスソフトに着目しました。T社で利用していたMicrosoft Officeを460台のSurface Proに導入した場合、導入コストは約500万円掛かります。一方、WPS Officeでは、約200万円に抑えることが可能です。WPS Office は、Microsoft Officeとの互換性に優れているので、事務所のデスクトップPCで作成したMicrosoft Officeのファイルを、現場のSurface Proでも問題なく閲覧・編集できます。さらに、ライセンス数が多くなると管理が複雑で大変になりますが、WPS Officeは一つのシリアルキーで複数ライセンスを一括管理できるので、ソフトウェアの資産管理を非常に簡素化することができます。今後、新しい従業員が入社した際にWPS Officeを追加購入しても、同じシリアルキーに紐づけできるので安心です。

>>WPS Officeの機能の詳細はコチラ

コストを6割カット!WPS Officeの導入で限られた予算を有効活用

検討の結果、コストと運用面の双方にメリットがあるWPS Officeを、Surface Proに導入することが決まりました。WPS Officeの導入により削減できた予算を、Surface ProにインストールするCADソフトの導入費に補填しました。その結果、当初予定していたミドルレンジのCADソフトから、事務所で利用しているものと同等のCADソフトにグレードアップできました。

紙の資料のペーパーレス化は、想定していた業務の「省力化や合理化」に繋がり、施工管理者の課題となっていた長時間労働は、少しずつ改善の兆しが見えてきました。

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※イメージ

建設業界の「働き方改革」に貢献するオフィスソフト

現在の従業員数のまま、拡大する建設需要を取りこぼさず、かつ高い品質で対応しているT社は、今年も前年比110%という過去最高の売上高を見込んで成長しています。T社では、施工管理部門だけでなく、全社をあげて「省力化や合理化」を更に推進し、会社全体で更に労働時間を短縮することができました。現在では、週休2日や定時退社日の設定など、労働環境の更なる改善施策を実施しています。また、好調な業績を背景に、収入や福利厚生といった課題の改善にも取り組みはじめました。これらの働き方改革が徐々に進んでいけば、人材不足の問題も解消していくことになるでしょう。
働き方改革の一環としても推奨されている「紙の資料のペーパーレス化」への取り組み。WPS Officeは、その取り組みを「コスト削減」という側面からサポートし、建設業の「働き方改革」の実現に貢献しています。

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