過去のデータ資産を有効活用!
「WPS Office」のハイブリッド導入でコスト削減も実現
少子高齢化、核家族化などにより、子供の教育環境はこの十数年の間に大きく変化しています。近年話題となった保育園不足問題に加えて、両親が共働きの家庭における、放課後の児童の過ごし方が社会課題として話題にのぼることも増えてきました。
そんな中、今回インタビューをさせていただいた株式会社理究は、保育園、学童保育、幼児教室や学習塾などを中心として、「0歳からの生涯教育」をキーワードに、広く教育事業を展開しています。
旧製品「KINGSOFT Office」のサポート終了(2019年6月末)に伴い、現製品「WPS Office」移行に至った背景や、業務におけるOfficeソフトの使い分けを中心に、株式会社理究 システム管理課 マネージャー 林様にお話を伺いました。
過去に作成したデータ資源の活用を前提としたOfficeソフトのリプレイス
【導入前の課題】
- 旧製品「KINGSOFT Office」サポート終了でOfficeソフトの再選定が必要になった
- 過去にオフィスソフトで作成したデータ資産の活用が必要だった
ー はじめに、事業内容など御社が展開しているビジネスを教えてください。
林様:神奈川県を中心に、東京や関西圏も含め、広く教育事業を展開し、一万人以上のお子様をお預かりしています。元々は幼児教育に力を入れていましたが、「0歳からの生涯教育」というスタンスを掲げておりまして、社会人も含めトータルな教育機会の提供というところまで視野に入れています。例えば、学童保育では小学校1年生から6年生までのお子さんをお預かりしているのですが、就労等で昼間保護者がいない児童に生活の場を提供するだけではなく、運動や文化的な活動機会も提供しています。
ー なるほど。御社独自の教材開発なども行っておられるのでしょうか。
林様:当社の提携企業である(株)発達教育研究会では、幼児教育や学習塾向けのテキスト教材や知育・能力開発教材を作成しています。また、学習塾でお預かりしているお子様を対象に、無学年教材も用意しています。例えば「ことばの学校」という教材は、朗読音声をガイドに読書経験を重ね、ワーク演習を通して理解を深める、といった構成になっておりまして、個々の習熟度に応じ、学年にとらわれない学び体験を提供しています。
ー ありがとうございます。林様は普段、どのような業務をご担当されていらっしゃいますか?
林様:サーバー等、情報システム系の設備管理をはじめ、システム導入支援、現場サポートやITリテラシー教育などを担当しています。
ー 今回は2014年に導入していただいた、「KINGSOFT Office」から「WPS Office」へのアップデートをしていただきましたが、Officeソフトを選定/導入するうえで、気にかけているのはどんなポイントでしょうか。
林様:これまで各種オフィスソフトを利用していく中で、様々なオフィスデータの蓄積があったので、まず第一に既存のデータ資産を問題なく使うことができるかどうか、という点が最大のポイントでした。そこで、Microsoft Officeとの高い互換性を持つWPS Officeを選択したという経緯があります。
それにもちろん、WPS Officeであれば、Microsoft Officeと比べ、大きなコスト削減が見込めたことも理由の一つです。
また当社では、事務用PCが多くを占めるのですが、WPS Office の機能で必要十分であるという判断もありました。
ー コスト面に関して、実際にどれくらいのコスト削減につながりましたか?
林様:Microsoft Officeと比べ、1/3以下のコストに抑えることができ、他のIT機器やシステム導入に予算を回す余裕も生まれました。
業務内容や用途に合わせてWPS OfficeとMicrosoft Officeを使い分け
【ハイブリッド導入を実施】
- 事務業務利用のPCにはコストパフォーマンスの良いWPS Officeを導入
- 基幹システムとの連携が必要な部門にはMicrosoft Officeを導入
ー 現在理究様では、WPS Office以外のOfficeソフトも利用しておられますか?
林様:業務内容によってはMicrosoft Officeの機能を必要としているところもあり、そういった部門ではMicrosoft Officeも併用しています。フリーのOfficeソフトも一度は検討しましたが、WPS Officeに比べて互換性に劣るという点がネックになりました。例えば、提携企業の株式会社発達教育研究会では、Microsoft OfficeのVBAマクロを活用しており、また教材開発環境の統一性も重要視されるという判断で、Office365を導入しています。また、多くはありませんが、総務を含め基幹システムとの連携が必要な部署であったり、複雑なVBAマクロを活用している部署には、Microsoft Officeを導入しています。
ー こちらの本社以外で、現場の教室の方ではWPS Officeをどのようにご利用いただいていますか?
林様:現場において、基幹システムにアクセスが必要なPCにはMicrosoft Officeを導入していますが、教員や事務スタッフ用など、その他PCにはすべてWPS Officeを導入し、教材や資料作成に活用しています。
ー OfficeソフトとしてWPS Officeを選択したことで、得られたメリットはありますか?
林様:やはり過去の作成データを有効活用できる、という点に加えて、WPS Officeはシェアの大きな製品ですので、今後も継続して利用できるという安心感も大きなメリットです。
ー Writer(ワープロ)、Spreadsheets(表計算)、Presentation(プレゼンテーション)の中で業務の中で最もよく使われているのはどのソフトですか?
林様:各部門の事務局・運営部は、報告などの定型フォーマットをExcel形式で作成していますので、Spreadsheetsの利用が一番多いかと思います。現場のPCではWPS Officeを使っていますが、互換性が優れていますので問題なく利用できています。
ー 今回、WPS Officeへの移行を進めていただきますが、何か懸念点はありますでしょうか?
林様:現在、WPS Officeを導入する200台弱のPC端末の準備を進めていますが、実際のインストール作業は、本社からリモート作業で行います。前回、ダウンロード版を導入した際は、個人単位でのインストールだったのですが、ライセンスの認証オーバーが発生したという経緯がありましたので、今回はインストール状況を確認できる手順を採用します。このリモート作業には、ソフトを含めたPC環境を整備し、PCトラブルを未然に防止するという側面もあります。尚、学童保育については、現場単位で予算管理を行う必要があるので、WPS Officeのパッケージ版を導入しています。
ー 今後WPS Officeに期待すること、改善のご要望などがあれば教えてください。
林様:国語教材は縦書きで作成しますが、Writerは少し縦書きが弱いのでは、という印象があります。細かいですが、縦中横(縦書きに横並び文字を入れること)ができないという声も挙がりましたので、そういった点が改善されることを希望します。また当社では、Excelを動作要件とするシステムをいくつか導入していますが、システムとWPSの連携が進み、Microsoft Officeなしで運用可能になることを期待しています。
※現在は、一部基幹システムとの連携は開発を進めており、連携可能なものもございます。
株式会社理究
代表取締役:米田正人
事業内容:保育事業部(パレット保育園 17園)、幼児教育事業部(どんちゃか・理英会 8校舎)、学習塾事業部(国大Qゼミ 12校舎)、ことばの学校、(株)発達教育研究会、(株)理究エデュオ(8校舎)、(株)理究キッズ(83校)
住所:横浜市神奈川区金港町5-32 ベイフロント横浜3F
設立:1981年
URL:https://www.riq.co.jp/